眠剤を悪用するなよ…

34歳女による婚活詐欺で、ハルシオンが用いられたというニュースを見た。こういう事件が起こると、日本でも規制が厳しくなってしまうのではないかと懸念が生じる。最近、せっかく処方してもらえる期間が長くなり、便利になったというのに。

今回の件は、私にとってはある意味ショックだった。健康な人の場合、酒と一緒に服用したら、ハルシオン程度で簡単に寝てしまえるのだ。恋人と初めての旅行であると同時に、婚約者の親元に行く直前である。私だったら極度の緊張で、ハルシオン1錠程度ではまず眠れない。ハルシオン0.25mg+デパス1.0mg、それでも足りずワイパックスを足し、最終手段としてマイスリー10mgでまとめる、というところか。ハルシオンだけだと、記憶は消えるが思考能力は残っているので、そこで女を疑う余裕もあるだろう。だから、もし被害者が眠剤服用者であったら、このような形での殺人は起きなかったんだろうなあと思う。しかし健康だと、たかだかハルシオン1錠で、目の前の女が不審な行動をしていても気づかないのか…。

ところで、私は普段から、必ず3〜4日分程度の眠剤は鞄に入れて持ち歩いている。たまたま終電を逃してホテルに泊まることになった時とか、地震が起きて数日間帰れなくなったとか、不測の事態に陥っても、苦労なく眠れるよう(かつきちんと眠って体力を温存できるよう)、いつでも準備しているのだ。誰かに確認したことがあるわけではないけれど、不眠の恐怖を味わった人なら、みな同じように持ち歩いているのではないだろうか。そして、こういうときは大抵緊張しているだろうと思うので、普段より強い薬もいくつか用意してある。

だから、もし私の鞄を調べられたら、眠剤が山と出てくる。職務質問にでもあったら、怪しまれるだろう。また、付き合い始めの恋人にそれを見られたら、疑われたりするかもしれない。普段使っているのはジェネリックだから、一見してハルシオンとはわからないはずなのだけど。私は寝泊りする関係になったら、薬を使うことは早いうちにカムアウトするようにしていて、今まで、特に不審そうな顔をされたことはなかったし、むしろ神経質で学者らしい、という感じに捉えてもらっていたと思うが、眠剤のイメージが悪くなって、今後、そういうことを言い出しにくくなったら困るなあ。てか、山のような薬でぐっすり寝てる間に、練炭を持ち込まれたら……。